第8話 成敗

謎の少女と0距離で密着し、あちらこちらに飲んでいた思考が、誰かが階段を登る音で現実に引き戻される。


「おーい、まだ着替えていないよな?」


レヴィンの声だった。


謎の少女を横目に一旦思考を整理する。


レヴィン(ロリコン)がロリ(俺)を風呂に連れ込むと、また別のロリがいた。


そして、そこにレヴィンが向かっている。


そこから導き出される結論は…


レヴィンがロリ2人を風呂場に閉じ込めて襲おうとしている。


最悪だ。


少女は俺と違って豊満な胸に、ピンク色の髪を靡かせ、優しげなタレ目を不思議そうに細めている。


俺でも魅力的な外見、あの変態が放っておかないはずがない。


胸を密着させ、見つめられている状況…普段ならば死ぬほど興奮するところだが、今はそれどころではない。


「すまない服を用意し忘れてしまって…うわあ"あ"!?痛っ!」

「でていけ変態!」


俺はレヴィンに飛び蹴りをした。

途端に泣き崩れるレヴィン。


「ちょっ、…ぐふ…」


…やっぱり「主人公の証」があるんだよな。


しかし彼が「主人公」だろうがもうどうでもいい。

ド変態性犯罪者に鉄槌を食らわせてやっただけだ。


まあ、勇者にも手を出したし、一度主人公に逆らってしまったら、もはや一度も二度も同じだろう。


「お兄ちゃん!?」

少女が驚いた顔で叫んだ。


…え。

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