第19話

「…ん。」



蝶が目を覚ましたのは、昼過ぎだった。



「…〜!?」



「…!」



少しだけ聞こえてくる外の音がやけに騒がしい。



「山南さん。」



「うん?どうしましたか?」



入るよ、と小さく断りを入れながら入ってくる山南は、やっぱり紳士的だと思った。



「いや、外がうるさくて目が覚めた。」



「そうですか。まあ、気にすることありませんよ、大丈夫です。」



ふふ、と微笑む山南の笑顔が少しだけ憂いを帯びた。



確かに、此処…新撰組ではこんな事、日常茶飯事かもしれない。



だが、山南の笑顔を見た時、蝶は直感した。



何かあるのだ、と。



「…大きな事件でも?」



「大丈夫です。心配しないで。それでは。」



答えになっていない答えを置いて、山南は出ていった。



当たり前だ、私は部外者なんだから。



そう納得せざるを得ない状況に、蝶は軽く舌打ちした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る