第五話 悪いヤツラ
誰かがオレがうずくまっているゴミ箱を何度も蹴飛ばしている音と振動で目が覚めた。
ギユェッグウェッと何か動物の鳴き声がする。
やがて音と振動は無くなり静かになった。
誰かがヒソヒソ声で話している。
「へへへへッ、やっと静かになりやがった」
「Cランク冒険者様もしこたま酒を喰らってへべれけになればたわいがないもんよな」
「かなりカネを使わされたが…、見ろよ、収納にたっぷりお宝をため込んでやがったぜコイツ」
「収納持ちが死ねば中身をぶちまけるってのは本当だったな」
「へへへ、お宝もカネもいただきだな」
「しかし収納持ちにしては量が少ないな」
「知ったことかよ。コレだけでもかなりいい値で売れそうだ」
「んーっ? コイツたしかダンジョンでスキルボールを見つけたとか言ってなかったか?」
「ああ、酒に酔った勢いでつい口を滑らしたみたいで、
「売ればいい値段がつくとか自慢しかけてたっけな」
「そういえば、見当たらないな…」
「ハッタリかまされたか…」
「おい、誰か来るといけないから、めぼしいお宝だけでもかっさらって行こうぜ」
「コイツはどうするんだ?」
「おいおい、なんのためにゴミ箱の横で始末したと思ってるんだよ」
「へッ、そうだな。さっさと放り込むか」
ガタンッと音がしてゴミ箱のフタが開いた。
ドサン! と音がして大きなナニカが落ちてきた。
オレは身体を丸めて見つからないように息を
誰かはゴミ箱を覗き込もうとしたが「クセッ! もう満杯じゃねえかよ。ギルドは何やってんだぁ。しかたねえ、あとは適当に放り投げておくか」と言いながらバサバサバサッと何かを投げ入れ、バタンッと音を立ててフタを閉めた。
そのまま息を潜めていると、足早にゴミ箱から遠ざかる足音が聞こえ、静かになった。
恐る恐る目を開けた。
その瞬間大きなナニカがゴミの山を滑り落ちてきた。
ソレはまだ生暖かい死体だった。
首にキツくロープを結ばれて目玉も舌も飛び出しそうに突き出ている死体。
アルコールの匂いがする死体の目は、オレを恨めしそうに見ている。
叫び声を上げそうになったのを手を噛んでこらえたが、やがて死体から漏れ出る糞尿の匂いに我慢ができずに吐いた。
死体の首からぶら下がっている赤茶色の金属片には『ジョン・ドゥ:Cクラス冒険者』と刻まれているのが読み取れた。
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