3: スパゲティ（他人編）

自分ではなく人がうまそうに食っていた話

　いつもランチを食べに行く洋食中心の喫茶店、居心地の良い席を構えるには12時台なら12時ぴったりに仕事を終えて足早に行くのがコツだ。居心地の良い席とは「風下にならない席」である。風が入ってくるわけではなく空調のせいだと思うのだが、風下の席に座ったら最後、せっかくの食事がタバコの煙を浴びながらの台無しになるのだ。まったくしょうがねぇぜ。

　その日は運悪く風下の席になってしまった。喫煙者が近くに来ないよう祈りながら食べていると・・・「ぷ～～～ん」くっさ～～～！。臭いの元は風上に二つ離れた席のおっさんだった。ただしタバコではない、なんとスパゲティに振りかける粉チーズ（筒状の容器に入ったナチュラルチーズ）の臭いであった。　　　　　　　（つづく→）