第21話
「日向さん、私達を北陸に連れて行ってくれますか。」
私は抱き締められたまま日向さんにお願いした。
「ああ。そう言ってるだろ。」
「日向さんのお家へですよ。」
「ああ。マンション住まいだが2人で3LDKなら十分な広さだろ。田舎の3LDKは広いぞ。」
「ふふっそうなんだ。でも私と岬と日向さんと3人で3LDKでしょ。そこは譲れません。」
「…え?」
私の言葉にポカンと日向さんが口を開けて固まった。
「俺、ヤクザだぞ。」
「知ってますよ。」
さっきから散々聞いたし。
「嫌気がさしたら逃げますから。」
なんて一応の予防線。
「でも。逃げない自信はなんと無く有ります。」
私が笑うと、日向さんが笑い返した。
「ああ。俺も手にいれたら絶対に逃がさない自信がある。」
抱き合ったままで笑ってる私達を見た野々村さんが喜んでくれた。
「良かったっすね!日向さん!」
「おう。ありがとうな。」
言葉を交わす日向さんと野々村さんを温かい気持ちで見ていたら、
「いえ。日向さんが上手くやる方に賭けてたんで目茶苦茶嬉しいです。」
はい?今なんと?
「賭けてたのか。」
日向さんの声が1オクターブ下がってる。
「はい。天城さんと葉崎さんと後、小田切の松岡さんと…」
どんどん折る指が増えてますけどっ!
「ふ。良い度胸だ!」
言いざま日向さんが瞬間移動した。
「うわあっ!」
叫び声と共に日向さんに蹴り飛ばされた野々村さんが吹っ飛ぶ。相変わらずの強さ。
「かぁっこい~!仮面ライダーみたい!」
日向さんの姿に岬が歓声を上げた。
『再会の約束 』
2019.7.15 完結
2025.1.13 加筆修正
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