第2章 追撃の一手

強行 side;帝

第22話

 何度抱いても厭きねぇ躰は、桜色に色付きしっとりと濡れる。

 その肌につけた印を確かめるように、また一つ唇付ける。


「・・・あっ・・・も・・ふぅっ・・・」


 昨夜も日を跨ぐまで貪った媚態に、尽きる事がない欲が湧き上がる。

 その衝動のままに突き上げれば、一晩中啼き続けて掠れた声に愉悦を憶える。


「少し出て来る。・・・ッ今日は、大人しく寝てろ」


 耳元で囁けば、俺の声にさえ反応を示す。

 その物覚えの良さと俺しか知らねぇ躰は、着々と俺好みに育つ。


「・・はっ・・・良い子で待ってろ」


「・・・ふぁ?・・・・あっぁん・・・なぁ・・?」


 理性を繋ぎとめようとする瞳に、深くまで挿入り突き落とす。


 溺れればいいと、堕ちてこいと。


「此処に居ろ・・・・ずっと、ココに」


 腕に抱き竦める肢体を、何処にも逃がさねぇように囲い捕える。




 シャワーから上がれば、いつもの如く勝手に部屋に上がり込んだメンツが揃っていた。


「おそよ~」


 手を振る統馬を無視し、ローテーブルに置いた煙草を掴む。


「なぁ、リィは?」


 その質問に一瞥だけくれ、無意識に寝室のドアを見る。


 気配から、起きてる感じはしねぇ。


「なぁ、帝~。リィは?」


 しつこい駄犬に、煙を吐き出し応えたのは、気まぐれ。


「寝てる・・・大人しく、な」


「ちぇ~。リィ寝てんのかぁ」


「「「・・・・」」」


 単純馬鹿以外の、批難する視線を受け流す。


「烈はどうした?」


「もうすぐ着くそうです」


「会わせないつもりか?」


 馨に無言で返し、立ち上がる。


「絶対、煩いよ?」


 想像して顔を顰める統馬を、鼻で笑う。


「知るか」


 騒ごうが、喚こうが、まだあいつらに璃依を会わせる気はない。


「隠し通せる問題でもないんですがね」


「帝が独占欲かぁ~。怖いね。ヤンデレ思考?」


「どうせ、総会の時に顔合わせるだろ」


「俺、リィのメシ食いたかったのに」


 外野の野次を背後に、寝室に戻る。


 クローゼットから上を適当に選び、もう一度ベッドを見下ろす。


 疲れて眠る璃依の、情事の名残で赤く色付く唇に、誘われるままに顔を寄せた。


「行って来る」


 言って、そんな他愛も無い挨拶を口にする日が来たことに笑いを噛み殺し、これが最後と髪を梳く。


 帰って来てぇと思える場所を確かめて。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る