面白かった!

好きな点
・伏線と伏線回収が鮮やか
・人物の造形(行動や思考の仕方)が、主役・脇役・怪異・犯罪者たちに至るまで立体感があるつくりになっていて、どのキャラクターのどの行動・言葉にも意味があって、読み返すのが楽しい

・口唇口蓋裂や、おそらく天然痘(作中には出されない先天性障害や病気の名前だけど)が『昔むかしは〝そういう扱い〟だっただろうな』という質感・説得力で物語のギミックに編み込まれている。キャラクターの一人が「現代では治せる病・救える」という台詞を言うところまで含めて好き。

・赤ちゃんや幼児が好きな性分なので…個人的に「あなたは…あなたたちは悪くない!なにもわるくない!生まれてきてくれてありがとう!不甲斐ない大人たちがごめんなさい!幸せにできなくて傷つけまくってごめんなさい!大人たちのほうこそごめんなさい!」ってなりました。
(いぬおぼごさまが捨て子をかわいく感じる描写が悲しすぎた)

・『賽の河原』に救いをもたらすのが『おんかかか…』って、地蔵菩薩の真言で、作者さんが本作に積み重ね、詰め込んだ知識・勉強の厚みを感じて感激。

・わるいおとながしっかりと報いをうける結末、大大大好きです。

すごく怖かった!そして面白かった!
ありがとうございます!