第29話雪
次の布教するアニメについて3人の幼馴染たちは悩んでいた。
「おれ達みたいな奴らが出てくるアニメはあるか?」
ジャニクの純粋な質問に私の記憶が呼び起こされる。
『ゲロー』
『ゲロオ』
叫び声、鳴き声、喜びの声。
「何個か候補はある」
「なにがあるのです?」
「ゲロロ軍曹と、エヴァリオン、かな」
「エヴァリオン」
「片方よりかは、修正しなくて良いなら、布教するのも早く出来るかも」
「宇宙人ものも良いですが、山田にもらったこれがいいです」
テーブルに出されたのはアニメボックス。
「涼宮ハルの満月」
これもスカーレット・エヴァーガーデンの制作会社の作品だ。
山田さん本当に趣味を全面に押し出してる。
「私はあそこの作品なら林さんちの名ドラゴンが良いな」
ガンナちゃん可愛くて癒されるし。
「2人が見たのならおれも観よ」
話し合いは平行線である。
流すのなら各自ちゃんねるで流そうとなった。
「携帯獣を配信しようと思ってて、今制作会社に色々頼んでるんだよ」
「大統領にあげたやつか。俺らも観たから、あげるのにぴったりだな」
「皆さんに遂にあの電気ネズミをお披露目出来るのですね」
「うん。大統領が地球と話して、ゲームも発売するんだって」
「しゃ!やっとか!」
あの時大統領を揺らした甲斐があったね。
あと、大統領が初期に出したシリーズや、リメイクされたものを更にリメイクして発売するのだと息巻いていた。
「大統領が凄く大変なことを計画してるって小耳に挟んだ」
「な、なんだよ、それ」
「わからない。私達では無理だけど大統領の叡智をもって確立されるとか」
凄い堀の深い顔で教えてくれた大統領は電気ネズミのぬいぐるみを胸に抱いて、猫携帯獣のニヤアスを膝に置いていた。
空間がぬいぐるみでいっぱいだったのは大統領っぽかったな。
所謂企み顔だったけど、メルヘンだった。
「大統領可愛かった」
「ああ。企んでる時の大統領って色々退行するよな」
ジャニクも言ってしまうくらい、分かりやすい。
「そうだ。2人も地球に遊びに行こうよ」
「どこに行くんですか?」
「海とか、観光地……かな」
「海ですか……青い地球と言われる由縁ですね」
「海で遊べることってなんだ?」
そうだな、海といえば水着ではしゃぐことかな。
「水着?なんか楽しそうな予感がする。よし、やるぜ!」
3人は一致した意見により、海へ直行した。
水着はアニメのお陰で説明出来た。
アルメイがさくっと制作。
ワープで飛ぶ。
配信もしようと生配信にした。
・いきなり始まった
・ゼクシィツイに予告なかったな
・個人かと思えば3人揃ってるぞ
・えー、なになに?
コメントが続々と投稿される。
「アニメ布教隊です。お久しぶり」
・こんちゃ、皆
・アニメ布教隊ラブ
・LOVE&LIKE
「現在、地球の海に来てます」
・地球来た
・海ってなに
・海……なにか白いの見える
「海というのは惑星にある水分を含んだ大きな水たまりのようなものです」
・水たまり?
・え?でっか!
・規模が凄いね
「白いのは、雪です。ワープ地点を見ずに地図を見ながら移動したので雪の降る地域に来ちゃいました」
リーシャは失敗したと苦笑した。
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