生きてるだけで

 今から、昨日のことを書きます。

医者にいうと、こらで客観的に見れるらしいです。


 どうでも良くなって、狭い部屋を彷徨えば、包丁がありました。あいにく、買って指で数えるぐらいしか使わなかった、それは切れ味が良さそうです。


『やめて。死なないで』


 声が聞こえて、後ろを振り返るとゆーくんがいました。さしぶりに見えたゆーくんはあの頃と変わっていないと思います。


「離してくれない」


『やだよ。だって、離したら切っちゃうでしょ?』


「あなたもあいつらみたいに偽善者ぶるの?」


『仕事できなくてもいいの』


「何言ってるの」


『彼氏取られても復讐なんて考えなかったでしょ。えらいよ』


「だから、何よ」


『生きるだけで偉いよ』


「私、そんな幼稚に見えるわけ? あの頃と一緒だと思ったわけ?

病にかかり、生きるか死ぬかを彷徨ってきたあの頃のように。素直に信じるって思ったわけ!?」


『生きてるだけで偉い。だから、偉いの。幼稚でもなんでもないよ』


「意味がわからない」


『生きてるだけで、えらいんだよ。よくがんんばったね。でも、私はあなたがここにくると悲しいんだ。ごめんね。君にはまだここにいて欲しいんだ』


こんな会話をしました。

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のんびり屋 @habataku

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