【12/25 第1巻発売!】無自覚最強ソロキャンパージロー 〜のんびりダンジョンキャンプ配信がしたいだけなのに世界がそれを許してくれない〜
第84話 ジローのソロキャンプのんびり配信#622 【2/2】
第84話 ジローのソロキャンプのんびり配信#622 【2/2】
「もちろん、もっと早く知ってたからって、俺になにかができたわけじゃないんですけどね。オランダにはUDの拠点がないし、そもそも俺は世話になってるだけで、UDの一員ってわけですらない。それはわかってるんだけど……。でも全部終わってから知るのは、なんか、なんだろう……。言葉にできないけど、申し訳ないというか、自分が許せないというか……」
”自分を責める必要はないと思うけど”
”気持ちはわかる”
”ユリスはマジで悲劇の英雄だよな。本人は冒険者になる気もなかったって話だし”
”そうなん?”
”管理局に『名誉特別管理官』みたい肩書を無理やり押し付けられそうになって、それなら冒険者の方がマシって冒険者登録したらしい”
”Sランク認定されたのも、白人のSランク冒険者を増やすためにゴリ押しされたって言われてる。もちろん実力は本物だけど、本人の意思はガン無視だったって”
”才能ある若者が、汚い大人に潰される典型やん”
「本当に、なんなんだろう、あのダンジョンは……」
”特殊ダンジョン攻略は実は、裏で政治的圧力が働いてたって噂”
”俺はユリスを目障りに思う権力者が、特殊ダンジョン攻略に見せかけて排除したって聞いたわ”
”胸糞わる”
”それはさすがにないやろ。そんな話、信じんなよ”
”ないって言い切れる根拠は?”
”「特殊ダンジョンは、秘密結社によって作られた人工ダンジョン」とか言い出しそう”
”日本だとあまり有名じゃないけど、円卓の守護者の結成秘話はマジで面白いから、興味ある人は調べて欲しい”
”面白いとかいうなよ。不謹慎やぞ”
「階段が上に続いてて、この世に存在しない宗教や、存在しない神様がいて……。なんか、ハンガリーだったかな? どこかのインディーズゲームに、よく似たモンスターが登場するみたいだけど……。でも意味わかんないし。なんでハンガリーのインディーズゲームのモンスターが、オランダのダンジョンに出現するんだっていう。百歩譲って、ゲート周辺で、そのインディーズゲームが流行ってるとかならわかるけど。でもそんな事実はなかったらしいし……。たぶん偶然、見た目が似てただけなんだろうね。……『特殊』なんて呼ばれるだけありますよね。本当に、あれは……」
”ダンジョンが自然発生してるって考える方が馬鹿。人口や国土比で考えて、日本のゲート発生率が異常に高い。統計を見れば明らか”
”特殊ダンジョンは世界滅亡の前触れ”
”統計w でた、馬鹿の考える統計なw”
”不謹慎厨ってどこにでも湧くよな”
”ちんこ”
”思考停止でいられる脳みそが羨ましい”
”糖質乙w”
”やばすぎ……。俺、気づいちゃった……。これ見て。ゲート発生地点を適当に線で結ぶと、地球にでっかいチンコの絵が……!”
”地球からチ⚪︎コ生えたアアア!!”
「……あぁああああ!」
”怖”
”どうしたんや、急に”
”びっくりした……”
”大丈夫? ちょっと休んだ方がいいよ、マジで”
”そんな頭を強く掻いたらハゲちゃう……”
”あんまり無理しないでね”
”さすがジロー。荒れかけたコメント欄を一瞬で黙らせやがった”
”頭おかしい奴の相手をする時は、相手以上に自分が狂えばいいという、いい実例やな”
「いや、さすがに……。それは……。でも……」
”マジでどうしたんやろ”
”変なキノコでも食った?”
「なんか、色々言われてるじゃないですか、あのダンジョンって。まあ、『特殊』なんて呼ばれるくらいだし……。ボスが連続するダンジョンなんじゃないか、とか。一部じゃ『
”はい?”
”本気で言ってる?”
”お前もうマジで休め”
”あれ見てどこが普通やと思うねん”
”ユリスの死がそれだけショックやったんやな……”
”方向ってなに?”
「いや、それは、もちろん、俺だっておかしいとは思ってるけど……。でも、あのダンジョンを一目見た時から、頭から離れなくて……。そんなわけない、ありえないって、その考えを振り払おうとしても、できなくて……。だから、その、つまり……。あれって、出口なんじゃないかな……」
”は? 出口?”
”どういうこと?”
「ほら、例えば、ダンジョンの階段って、上層階ほど幅が広いんですよ。一階層から二階層への階段なんて、五人が肩を組んでも平気で降りられるくらい広くて。それが下に行くほど、幅がどんどん狭くなっていくんですよ。まるでダンジョンが理解してるみたいに。深く潜れば潜るほど、そこを通れる者の数が減っていくって。それから、深階層で見られるダンジョン文明。それも、下に行けば行くほど、文明の色が濃くなっていく」
”まぁ、そうだけど”
”でもそれがなんなんや”
「だから……。もしダンジョンを、このままもっともっと深く潜っていって、最下層に着いたら……。たぶん、ちょうどあんな感じになると思うんですよね」
”え……。つまり、ユリスたちはダンジョンの出口から入って、最下層のボスと戦ったってこと?”
”いやいや、それはさすがに……”
”確かにそれなら、あの異常なボスの強さにも説明がつくけど……”
”いや、でも……。えぇ?”
”やばすぎ”
”俺まで頭おかしくなりそう”
「そう考えると、全てに説明がつくんですよ。ほら、あのダンジョンって、ルールというか、文化というか、世界観というか……。なんかこれまでのダンジョンと、根本的なところから、まるで違ってる感じがしませんでしたか? 前にどこかで話したんですけど、ダンジョンって過保護なほど、人間に都合よくできてるんですよ。でもあのダンジョンは違った。ボス戦が始まったら、決着がつくまで不可侵で、魔物も悪意に満ちていた……。これまでと違いすぎる。あまりにも、理不尽で……」
”だからこれだけ騒がれてるんやろ”
”今更なに言ってんの”
”だから特殊ダンジョンって呼ばれてるんじゃん。それを……”
「もちろん『特殊ダンジョンだから』で説明もできるんですけど……。でも『こことは別の世界のダンジョンだから』って考え方もできませんか? あのボスだって、そうです。こことは別の世界の宗教、こことは別の世界で信仰される神様……。そういうふうに考えることも……。いや、むしろそっちの方が筋が……」
”なに、別の世界って”
”怖い怖い怖い怖い”
「……根拠のない仮説ですけどね。それもかなり
”俺はお前が怖いよ”
”よくそんな吹っ飛んだ発想ができるな……”
”ジロー、これ本気で言ってんのかな?”
”過去一じゃない? これまでも妄言を吐きまくってたけど”
”さすがにジローのメンタルが心配やわ”
「ほら、オランダ政府は、特殊ダンジョンへの立ち入りを
”いや、だってそれは……”
”魔物は生きたままゲートを越えられないんだから、そりゃこっちから近寄らなければ、なにも……”
「……俺は、本当に怖いんですよ。そのうち、あの化け物を倒せるだけの力を持った誰かが、ゲートを越えて、この世界にやってくるんじゃないかって。それこそが、ダンジョンの目的なんじゃないか。宝箱や希少なアイテムで射倖心を煽って、配信で人を集めて……。そうやって強化した人間を、別の世界に送り込むことこそが——」
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