1.

第2話

季節は10月になったばかりだというのに、夜の気温はとても秋とは思えず。





昼はあれだけ暖かったからワイシャツだけだったのに、今はなかなか肌寒く、風がふくたびに身震いをするのでカバンからセーターを取り出し着込んだ。




建ち並ぶビルや店、ネオン街のキラキラとした光を浴びながら夜の街を行き交うたくさんの人々。




大して都会の街でもないけれど繁華街だからなのか……今日は何故かやけに人は多くて騒がしい。



サラリーマンのおじさん達も通行に邪魔なキャバクラのボーイ、居酒屋のうるさいキャッチ、大学生の集団も厚化粧したおばさん達も、みんなみんな楽しそうにはしゃいでいて、とっても憂鬱な気分のわたしには不快でしかない。



まあたぶん、いまだからとか関係ないかも?




先程終わったばかりの塾からの帰宅途中である制服姿のわたしには1ミリだって似合わないネオン街を携帯電話からの音楽でシャットアウトしつつ家路までの道のりをいつも通り歩いていた。

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