第5話

「ねぇ、わたしやっぱり…」



「凜咲たちは、もう知ってる」



「え?」



"ねぇ、わたしやっぱり統牙くんとは住めない。"




そう言おうとしたわたしの言葉を遮って被せるように声を出してきた統牙くんが顔をこちらに向けていて目が合う。



「知ってる…ってなにを?」



「お前が事務所に住むっての。もう知ってる。」



「え?!言ったの!?」



なんで?!



あまりの驚きにとても大きな声が出たわたしに、統牙くんが一瞬眉間にシワを寄せる。



「唾飛ばすな」



「あ、ごめん…。そ、それより凜咲ちゃんたちに言ったの…?」



そう聞き直すと 。



「言うだろ、普通。」



無表情の統牙くんが『当然』とでも言うような言い方で言い返してくる。

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