自問自答

第7話

仕事を終えて電車に揺られている私。


しかし、目をつむれば、あの記事がまだ瞼の裏に焼き付いている。


(年間自殺者三万五千人。一日に百人以上もの人が自らの命を絶っている現状……)


今のこの私に、何か出来る事はないか。


若くして、この世を去って行った第ニ、第三の私の親友を出さない為にも…………


いつの間にか、そう考え始めるようになる私であった。


しかし、こんな私にいったい何が出来るのか。


地位も名誉もお金も無い、ただの一人の役者に…………


考えれば考える程、自分の無力さが浮き彫りになる。


ぶっちゃけ私も“死にたい”と思った事は何度かある。


しかし、その理由は様々で切実な悩みではない。


突発的に思っただけである。


突発的に思って、衝動的に自殺した人もいたかもしれないけど。


だから心底、自殺する人の気持ちは分からないのかもしれない。


でも、どうにかしたい。


しかし、どうすれば自殺者をくい止める事が出来るのか思いつかない。


どうにかして自殺志願者を減少させたい。


明案が思いつかない…………


どうしたら良いのだ!


私には出来るはずだ!


これまでの出来事とタイミングを考えると、これは偶然では無く必然的なのかも。


だったら尚更!


くそ~~

くそ~~

くそ~~


自問自答が続く。

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