早春【ふきのとうよ、強く】

 おはよう。雪に眠る春の息吹は確かにそこに。


 遅れないように瞳を閉じ研ぎ澄ました意識は────ずっと見ている。いつか殻を破り、雪の冷たさに負けない熱い強さであれるように。


 太陽が背中を後押し。光で地面を照らすと溶けた雪の中から『ふきのとう』が顔をひょっこり出しはじめた。


 おはよう。もうすぐ春が来るよ。──そう言わんばかりに黄色の花を咲かせて。


 ほら、最初の挨拶って大事でしょ? 朝から彩る今日のはじまり。


 だから冬の重さに負けないで。のしかかる雪に負けないで。


 ──春の息吹は今ここに。





End.

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