さいだー

第15話

「次体育だね」





「うん」






「まだ気にしてるの?」







困った顔の遥ちゃんがあたしの背中を撫でてくれる



気にしないなんてできない

入学式から一週間がたった今日まで、朔くんとは一度も顔を合わせてない


瑠夏くんは気にしなくていいって、遥ちゃんと同じことを言ってくれてて

本当に気にしなくていいんだろうけど




朔くんはいつもサボってるみたいですごく気になる

私のせいかな…なんて




朔くんと違うクラスの私がなんでサボってるのか知ってるかと言うと







「らーんちゃん♪」






「あ、莉央くん」






するりと肩を抱き寄せられる

少し顔を上げれば目の前に莉央くんの顔



教室の至る所から叫び声が聞こえてくる






「毎日毎日蘭にちょっかいかけないでくれる?」







遥ちゃんがあたしの肩にまわる腕を引き抜く

あ、お互いすごく嫌そうな顔





喧嘩は怖い

だから、喧嘩になる前にフォローしとかないと




「遥ちゃん!

友達なら当たり前みたいだから大丈夫だよ、?」






気にしないでって笑ってみる


遥ちゃんはもっと顔をひきつらせてて

え、?違うの?



私も釣られて困った顔をする






「…ねぇそれ誰に教えられたの」






「えっと、りおく」






「もー!!!何でもかんでも変なこと教えないでくれる!?!」






「信じると思わないじゃん??

本当に蘭ちゃんって面白い」






莉央くんがクククっと喉を鳴らしながら笑う

私には何が面白いのかわかんないんだけど

遥ちゃんをみてこれは嘘の情報なんだってはっきりわかった






「おい、莉央廊下は走るもんじゃねぇよ」







「遥〜朝ぶり」







廊下のドアから今度は雪くんと瑠夏くんが顔をのぞかせる

…その中に朔くんはいない

学校には来てるのかな






「そんなに朔が気になるの?」






「え?」






「だって、俺がこんなに近くにいてもどこか上の空」







また距離が近くなる





「蘭ちゃんって凄くわかりやすいね

罪悪感?ただの好奇心?



それだけじゃ朔には近づけないよ」





眼鏡をひとつ挟んでみても彼の瞳はあたしの心の中を読み取ろうとする


そんな莉央くんの瞳に吸い込まれそう





「そうかな、

まだ何も知らないから知りたいだけなのに




それでも、近づけない、?」







じっと莉央くんを見る


莉央くんは沢山朔くんのことを知ってるから守りたいんだと思う

知ることで傷つくことも沢山あるのかもしれない


でも







「友達だから知りたいの」





キュッと奥歯を噛んだ






「友達…ねぇ






…あーもー!その顔はずるいよ、嘘ついてない顔じゃん

蘭ちゃんに免じて、今回は特別に手を貸してあげる」

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