第41話

「ふぅ~さっぱりした」



シャワーを浴び終え、髪をタオルで拭きながら、水を飲もうとキッチンに向かうと、おばさんが1人でソファーに座っていた。



あきら、おかえり」



「ただいま――あれ?弥生さんは?」



「アパートに帰った。これ、商品券……お礼だって」



「えっ――なんで帰ったの?」



「輝のせいだからね」



「え???」



「あなたの態度が冷たいからよ、きっと」



「僕は何も……してない」



「あなたは何もしすぎないからダメなの!今朝、朝食一緒に食べなかったでしょ?なんで断ったりしたの?なんで優しい言葉かけてあげないの?」



「そう……だけど……でもそれは、弥生さんが緊張して、ゆっくり食べられないと思ったからで……まぁ、僕も緊張して、何も話せないし」



「そういうのがダメなのよ。輝は逆に、弥生ちゃんに気を遣わせたのよ……弥生ちゃん寂しかったと思うよ……あなた、精神科医よね?人の心読めないの?」



「……」



「……それでさっき、どうしてるかなぁって思って電話したけど……出ないのよ。何度かけても、出ないの。何もないといいけど」



「えっ……」



「アパートに彼が来て、また、暴力とか…受けてないといいけど……」



おばさんは、深くため息をついた。



「ねぇ、おばさん。弥生さんのアパートの住所聞いたりしてる?」



「もちろん、念のため聞いといた」



おばさんは、メモ紙をテーブルに置いた。



「僕、ちょっとだけ……見てくる」



「……そのほうがいいと思う」



僕は、メモ紙を受け取り、濡れた髪のまま、急いで車に乗り込んだ。

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