第10話
"チロルの家"の料理は、『あさりスパゲティ』の他にも、たくさん美味しいメニューがあって、
『ピザトースト』や『ビーフカレー』もよく食べた。
ピザトーストは、パンがとにかく美味しい。厚切りで、ふっくら甘く、その上のチーズは、流れ落ちるほどだっぷりだ。
ビーフカレーは、喫茶店独特のレトルトっぽいルーの味だが、一手間加えていて、牛肉はほろほろと溶け、肉厚な椎茸がなんとも言えない風味を醸し出し、これまた美味しい。
私は、自分へのご褒美として、週1、2回は、休憩を"チロル"で過ごした。
いつしかマスターに対する偏見は消え、
美味しい料理を提供してくれる、マスターを尊敬した。
だから、昔無視をしてしまった事を反省し、仲良くなろう……いや、仲良くなりたいと思っていた。
「あさりスパゲティ、美味しかったです」
「あ……はい……」
私は、チャンスを見ては、マスターに話しかけた。
しかしマスターは、目を逸らし、話をすぐ切ってしまう。
常連になっても、挨拶程度の会話で終わり、明らかに、避けられているような感じがした。
だから私は、必要以上に、話しかけるのをやめた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます