第41話

今日の様子をお袋に聞くと、あなたが帰ってくるまで、不安そうにしてたわよ。私はすみれちゃんの事を見てあげれるけど、何か我慢してるようだったわ。すみれちゃんねえ。寂しいって言うとこういったの。おじさんは仕事でお金を稼いでるんでしょ。お金って大切なんだよね。お金がないとなにも買えないし、私あの生活に戻りたくないもの。おじさんといられないのは寂しいけど、頑張るよって言ってたのよ。私それ聞いた時、すみれちゃんはわかってると思った。すみれちゃんはカオルに出会って変わった。でもまだあの子はきっと家族とかそういうのに慣れてないのよ。だから不安でしょうがないんだと思うの。もっと甘えてもいいはずなのに、甘え方を知らないんだと思うの。困らせてしまうと思ってるみたいね。そういうと俺は母に、困らせてしまうか。そっか。そうだな。こっちは全然困ったりしないのになというと、そろそろすみれが出てくるなというと、すみれちゃんは髪を拭きながらこっちに向かってくるのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る