第260話

チャリンッ…----



この場にそんな金属音が鳴り響く。




それに反応を見せた乃威はゆっくりとその人物に目を合わせる。





「珍しいな、お前が屋上に来るなんて。」




“お前”と言われた玲衣は少し悲しそうにクスリと笑い、空を見上げた。





「ねぇ、乃威。俺って残酷なんだ。」



「知ってる。」



「俺って腹黒いんだ。」



「知ってる。」



「俺って馬鹿なんだ。」



「知ってるよ。お前が親友のためになら、熱くなれる馬鹿だってこともな。


相手を護るためなら、自分を犠牲にする馬鹿だってことも。」





そう真面目な顔をして言う乃威を見て、玲衣は少し残酷そうに笑った。








ねぇ、言い訳に聞こえるかもしれないけど…聞いてほしい。





俺はただ………お前に傷ついてほしくなかっただけなんだ。




お前に幸せになってほしかっただけなんだよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る