第258話
「違う!!それは違うよ!!!」
オレと裕貴の間にいた朱希君はそう言って、バッと立った。
オレと裕貴はそんな朱希君を見て、少しビクッと肩を鳴らす。
朱希君の少し怒っている顔は、とてもじゃないけど迫力があるように感じた。
どうやら、裕貴が言った“玲衣さんが達沙を裏切った”という言葉にカチンときたらしい。
そんな朱希君は続けて言葉を続ける。
「違う!!玲衣様は裏切ったんじゃない!!!玲衣様は……玲衣様は…」
そう言って言葉を紡ごうとしたが、どうやら涙が出てきているらしく次の言葉が出ないらしい。
一生懸命に自分の袖の部分で、出てきている涙を拭いて必死に自分の想いを伝えようとする。
「玲衣様はそんな…薄情な人じゃない!!玲衣様はとっても優しいんだ!!」
何を根拠に言っているのかは、オレ達二人には到底理解出来なかった。
朱希君が何を伝えたいのかも。
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