第253話

「可愛いよ。だって……人のために泣いてくれるんだもん。可愛くないなんて有り得ないよ。」



朱希君はそう言って、オレの頬をスルリと触った。



愛しいものを触るかのように、優しく。



それをされたオレは余計に赤くなり、顔を下に向けた。



恥ずかしいを超えて、もうこの場から消え去りたい。



なんて、内心思いつつオレは頬をスリスリとこすった。




「あの二人は……どうしてあんなに苦しそうな顔をするのかな?」



心の中にしまっておこうと決めた言葉が、気づいたら口に出してしまっていた。



きっとそれくらいに彼らの事が気になっていたんだと思う。



それを聞いた二人は一度目を合わせる。



何秒間かそうした後に、裕貴は切なそうに下を向いた。



朱希君はというと少し言いづらそうに話してくれた。

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