第32話

『佐藤組?どうしてまたそんな所を?』



「事情はまだ詳しくは話せねぇんだ。頼む…承諾してくれ。」




俺は滅多に人には頭を下げない。



多分、右腕のこいつにも頭を下げたのは片手の指に入らないくらいだろう。



しばらくの沈黙が流れた。










『……分かった。』



何かを決意したように、龍は重い答えを出した。



俺はその答えを聞いて、息をつこうとしたその時────







『ただし……条件がある。』




龍は真剣なその声で、俺に言った。



電話越しだから、どんな顔をして言っているのかが分からないので心情は読めない。



しかし、声がいつになく真剣なものなのできっとふざけた条件ではないのは容易に理解出来る。




「条件は…何だ?」



どんな条件でも呑むつもりでいる俺は何かを決意したように聞いた。

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