第90話

彼が持っていた物に全員が視線を這わすとそこには一冊の本が握られていた。



………何だ、これは。



誰もが思った。




一番はこれを渡された張本人である、瓜。






「……あの、何で俺にこれを?」



「はあ?テメエが読みたいっつーから、俺が直々に持ってきてやったんだろうが。」



ますますその言葉に首を傾げることしかできない瓜。



―――…俺が読みたいって、言ったあ?






もう一度視線を本に落とすが……こんなものを読みたいと思ったことは一度もない彼。



というか、本自体あまり読まないのだ。




「いや、何かの間違いだと思うんだけど。」



「はあ?だから、俺は本郷サンに……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る