第56話

真っ白いものに囲まれている私。



隣には女性が二人。



目の前には見慣れた男がソファの真ん中に座って、私を見つめている。




………彼とだけは、こんな所に来たくなんてなかった。



ううん、彼以外とはの間違いだ。







「もっと肩出るやつねえ?」



「でしたら、こちらは如何でしょう?」



「右のやつ、着せてみろ。」



「畏まりました。」



本人の意志とは関係なく、着せ替えみたいに着せられているのは―――…ウエディングドレス。



女性が一度は着たいと憧れるソレを、私は何故か蘭勝さんと決めるために買い物に来ている。






―――…冗談じゃない。



声を大にして、本当は言ってやりたい言葉だ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る