第264話
いや、そんなはずない。
ううん、それとも死んだことが嘘だっていうの?
―――…アア、ワケガワカラナイ。
「え?」
「待て、紗綾。……いや、悪い。順番を間違えた。」
「え?」
上条さんの言ったことが混乱の原因になり、少し視線を地面に落とす。
どういう、こと?
え、訳が分からない。
「えっと、え?」
「確かに俺も『ヤツ』の顔を見たことがある。」
ヤツ?
上条さんが大稀さんのことをそんな風に言うなんて予想外で、少し目を見開くと彼は少しだけ眉を上げた。
「確かにアレは噂になるのは仕方がねえって俺も思うけど……。」
「?」
回りくどい言い方をするので、私には彼が何を言いたいのか理解できない。
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