第54話
調子が狂いそうだったので、とりあえず俺はその場から立ち上がる。
「どこ行くの?」
「煙草、買ってくるだけです。」
「未成年は煙草禁止だよ。」
「……いちいち、うっせえな。」
「それが売りなんで。」
―――…うざ。
本気でそう思った時、俺は拳を彼につきつけようと腕を振り上げた。
しかし彼はそれに何いう顔もせず、どう来るかも分かっているはずだったのに――…避けなかったのだ。
そのままその拳は…………。
「そのへんにしとけや、協。」
蘭サンに受け止められて、彼には入らなかった。
何故か、何故か心のどこかで殴らなくてよかったと思っていた自分がいたのを、俺は気づかなかったことにする。
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