第5話

「檜佐木。お前、反対なんだろ?凛をステージに上がらせること」



悟さんが言うと、亜紀はギロッと睨む。




「あぁ。反対だ。何時まで経っても亮は成長しねぇ。それに、凛は亮の女じゃねぇんだ」



「それと、裏トップの立場から考えると………だろ?」




「………」



「いつから後輩想いになった?」



「………前裏トップから言われたんだ」



「なんて?」



「だた、見てるだけじゃない。頼りないトップを見たとき、消せって。そうしたくねぇだろ」




………。



そうか。



次の裏トップは透君だ。


その仕事は透君がすることになるから。




消すってことは………



辛いだろう。



「亮は、確かに親が凄い。だが、自分の裏会社持ってないだろ。全て、親だ」



「………いらない。凛さんの手助けは必要ない」



亮君?




「俺だって出来る。だから、凛さんには見ててほしい」




「………えぇ。見てるよ。ちゃんと見てる。だから、頑張って」





柚月の壁はとても高い。



それを、乗り越えることができれば………



近寄って来る馬鹿な女のいなくなる。

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