第13話
そのまま路地裏で待っていたら、五分ほどして黒いパーカーを着た男が私の方へ歩いてきた。
パーカーのフードを深く被り、顔が分からないけどおそらく大毅。そう思ってしまったのは背格好が大毅に似ていたから。
フードを被っているのは、まだ出てきて間もないからか。誰かに見られると困る?今までずっと困ることをしてきた男なのに。
それにしても早い。
いったいどこへいたのか。
メッセージをしてから5分も経っていないのに。
私のそばで立ち止った男の顔はまだ見えないまま。
「……よく5分で間に合ったね」
皮肉に笑いながら言った後に、──……私はハッとして青ざめた。
〝それ〟に気づいて慌てて勝手口から中に入ろうとしたけど──……背後からの強い力がそれを阻止する。
冷や汗が止まらず必死に暴れたからか、その強い力が一瞬無くなり、私は慌てて走り出し路地裏の奥へと足を進めた。
それでも震えが止まらないせいで、足がもつれそうになる。
誰?
誰?!
さっきのパーカーは誰?!?!
「どこで気づいたの?できるだけあのガキに似た俺が来たのに」
だけど男の足には適わなく。
後ろから抱きしめられるように腕を使い首を絞めてきた大毅じゃない男は、からかうように笑いながら言ってきた。
苦しい……!!
苦しい!!
声が出ない!!!
誰か助けて、誰か誰か誰か──……!!!
「恨むなら弟を恨みな」
あのストーカーは、大毅に恨みを持った人だった……。私はまた、大毅に苦しめられるのか。
首を絞められた私は、失神してしまったらしい。
「穂高さん、捕まえましたよ」
多分、そんな声が聞こえたような気がする。
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