第10話

佳加は夕食後私の家に寄ってくれた。盗聴器や隠しカメラが無いかを全ての部屋を見てくれて。


窓はちゃんと施錠できるか確認していた。



「部屋の中は入ってきてないと思うけど、一応、今日は泊まるわ」


「ほんとう? 明日、早出じゃなかった?」


「いいよ、花音のが心配。──……つか、時計、電池まだだな」



時計……。

電池を抜いてから、止まっている時計。



「あれ秒針の音がするの。その音のせいで足音が聞こえないと思って……」


「ああ……それで……。その足音、部屋の前までの時もある?」


「ううん……ない。いつの間にか消えてる。だからいつも、聞こえないかなって怖くて……」


「そうか…」


「佳加」


「うん?」


「ごめんね、ありがとう」


「いいよ、言ってくれて良かった」




笑う佳加は、「玄関前に監視カメラつけとくか……」と、ネットで注文していた。




「あと防犯ブザーとか持ってる?」


「ううん」


「それも買っとく、けど、絶対一人になるなよ?」


「……うん」


「ちゃんと捕まえる、安心しろよ」

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