第613話
自己紹介というものは午前中に済ますものだと思ったが、ここでは午後から行うらしい。
自己紹介を1分ほど行うのだが、みんなハキハキと自分の好きなことや興味があることなど話している。
面接を何度かやっているから慣れているのかもしれない。
私は、確実に他の人より回数は少ないはずだ。
そんな感じで大丈夫か?となる。
「椎名凛です。製菓学科2年です。洋菓子を主に学んでますが、短大に隣接する店舗で販売も学んでいます。自分で商品開発を行い販売までの流れも学んでいます。よろしくお願いします」
自分の自己紹介レベルの低さがよく分かる。
1分がどれだけ長いのか………………
みんな、ペラペラ喋っていたから簡単そうに見えるけど、実際にやってみると難しいのが分かる。
スポーツをしているわけでも、休日にカフェ巡りをしているわけでもない。
1人旅もしないし、推し活もしていない。
休日は課題をやったり光さんのお店で働いたりケイと遊んだりと至って普通の生活をしている。
そう考えると平凡感がすごい。
それが変ってことじゃないけど、話せるような内容がない。
「はい、ありがとうございます。では、5人ずつのグループになっていただきます。1番から5番、6番から10番です」
机を移動して向かい合うようにする。
男が3人、女が2人だ。
「手元にある仕事の振り分けが記載している資料を確認して下さい。それぞれの役割を話し合いで決めて下さい」
資料を確認すると、営業と一緒に行動をして情報収集する者と開発者と一緒に行動をして情報収集する者に振り分けるらしい。
これって難しいよね?
自分が行きたいところあるはずだ。
「各自、現場に行ってもらいます。そこで情報収集を行いその内容で商品について話し合いを行います。実際の声を聞くことで気づくことがたくさんあります。聞き逃すことがないようにして下さい」
目黒さんの話が終わると、今度は誰がどれに行くかを決めなくてはならない。
営業は2名、開発は3名だ。
私は開発より営業に行きたい。
商品開発部門も魅力ではあるが、外のことをもっとたくさん知ったほうがいいと思った。
「えーと、決めましょうか?営業に行きたい人と開発に行きたい人。挙手にしますか?まずは、営業に行きたい人は手を挙げて下さい」
誰から話していいのか分からない状況だったが、1人の男性が話し始めた。
それで意見が言いやすくなったのか、もう1人の男性が手を挙げた。
私も手を挙げる。
「あっ、どうやら決まったみたいですね。俺は開発に行きたいです、残りも開発でいいですか?」
残りの2人はコクリの頷いた。
揉めることなく決まって良かった。
営業の1日スケジュールを確認は資料の中に記載されているが、それを見てもピンと来ない部分もある。
実際に見ないと分からない部分ってことだろう。
明日は午前中から外回りらしい。
販売している店舗を巡り、何か変化はないか確認する。
「皆さん、決まりましたか?では、次のページをご覧ください。最終的に皆さんには商品開発をしてもらいます。皆さんがまとめたものは、無駄には致しません。新しい商品を作るために参考資料として使わせていただきます」
ページを捲るとテーマが記載されていた。
秋に合うしっとりなマロンケーキ。
今の季節は夏だが、テーマは秋のケーキ。
すぐ商品が出来るわけじゃないか………………
パッケージも考えなきゃいけないらしい。
「商品の開発は短期間から長期間まで様々です。今回は半年前くらいから初めています」
今、取り掛かっている案件だったか。
どこまで進んでいるのか分からないが、10月頃に発売予定だよね?
なら、結構進んでいるかもしれない。
「皆さんには、それぞれ担当者が付きます。質問があれば担当者に聞いて下さい」
今日は会社の業務説明と明日のために下準備が主だった。
明日が本格的に動くらしいので、資料をよく読んで確認して下さい、とのことだ。
今日はこれで解散ということで、各々片づけをして会社から出た。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます