ホテル

第1話

すぐ隣で動きを感じ

ゆっくり瞼を上げる。




ーーまたか。




顔半分を枕に埋める私は、どんな顔をしているのだろう。





彼がベットから起き上がり、散乱した服を身につけながら部屋を動き回る。

服を着ている時にはわからない意外と鍛えられた綺麗な背中。

それが見えなくなっていくのはカウントダウンの始まり。





裸でシーツにくるまっているだけの私。




体と一緒に胸の内を隠すように、シーツを目元まで上げた。





と、匂ってきたのは

ここ何ヶ月かで嗅ぎなれた煙草の匂い。





「起きたの?」

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