第5話

不安だった高校生活が一気に華やいだ。



真っ白なキャンパスに虹が描かれるように。


色づいていく。


彼がいるだけで。



だけど。


「…、ま、わたしらとは住む世界が違うって感じだけどね」


珠ちゃんのそんな一言で、急速にそれは灰に染まる。



「……そうだね。違う、よね」


クラスだけじゃなくて、学年中から注目を浴びる華やかな彼と、特に目立ちもせずひっそりとクラスのすみにいるような地味な私とでは、確かに世界が違いすぎた。


珠ちゃんが苦笑いを溢しながらわたしの背中をパンッと叩いた。


「それでも好きなんでしょ?」


「……うん」

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