第6話
「はぁ、まあ別に興味ないんで」
…………………え、だ、れ。
いや、あの男誰?マジで誰?あんな気怠そうに発言した男は一体誰なの?……ああ!!荒田の皮を被った誰かなだな!!だって、あの荒田だよ!?いっつも『五十鈴ちゃーん!!』なんて気持ちの悪い声出して、駆け寄ってくる荒田だよ!?つか、警察官がそんな台詞吐いていいと思ってんのか!
言いたいことはたくさんある。あり過ぎて困るくらいだが、混乱してしばらく観察していたのが悪かったのか、運も悪く荒田が私に気づいてしまった。
「あ!!五十鈴ちゃああああん!!!」
―――…まあ、こうなるわな。
嬉しそうに駆け寄ってくる奴を回避する術もなく。
「1日に2回も会えるなんて、運命かな?運命だよね?運命なんだ!!」
「何で確信系なんだよ!!」
「これはもう結婚するしかないよね!結婚しよう!五十鈴ちゃん!」
「そんな易々とプロポーズしてんじゃねえよ!変態が!!」
「それはもっと凝った愛のプロポーズをしてくれっていう愛情の裏返しだね!!じゃあ、今夜にでも用意して」
「お前はさっさと地獄に堕ちろ!!」
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