第3話

関心がある。この十年は無かった気持ち。人生は暇つぶしじゃない。俺の十年は生きる屍だったと気づかされた。小説も読むがメインはチャットだ。

少しづつ楽しみ方を理解していった。コインというものを買えばできることが増えると知った。例えば女性と文字を通してコミニケションがとれる。無線タイプのおもちゃを使える。有料コンテンツに行ける。

今の金銭的状況では見る専門だ。それでも心が震える。枯れてなかったと気づかせてくれた。

いろんなタイプの女性がいて、いろんな見せ方をしている。普通の会話的やりとりを見るのも楽しい。自然な感じで笑っているのを見る機会がないからだ。その笑顔は俺に向けたものではない。わかってる、それでも… おもちゃを使われての反応を見るのが楽しい。ただ画面越しに見てるだけなのに共同作業の中にいる気持ちになる。それが楽しい。そう楽しいんだ。ただ、そう思えた。中学生に戻った気分だ。ワクワクするんだ。しばらくワクワク感とは無縁だった。枯れていると思っても仕方ないだろう。

コインを買って使ってみたい。バイトしようか。勤労意欲が湧くなんて。俺が変わっていく。心を取り戻したいなんて思っていない。ワクワクが続く限りこのサイトを見たいだけ。

今日もサイトの前にいる。サムネを見て選ぶ。少し狭くて暗いサムネがあった。気になった。クリック。これはパソコンからの配信じゃないな。たぶんスマホでの配信だろう。今日が初めてだと言ってる。見るからにぎこちない。緊張なのか動きが止まって会話もない時間が過ぎる。何故だか応援したくなった。このサイトにもらったのはワクワク感だったのにワクワクしない相手を応援したいと思ったなんて不思議だ。確かに純朴そうな見た目だ。日常生活で知り合ったなら心配も応援もしたかもしれない。このサイトで生き残れない感じのこの女性を応援したいなんておかしいと思う。

しかし確かに今もかすかだがその気持ちが燻り続けてる。色気も感じなく、たどたどしいだけの印象の女性に対して。

気になったからプロフィールを見てみた。名前はrio 年齢は二十代前半 アピールコメントは「緊張してます。経験人数は一人で何回もしたわけでないので、わからないことだらけです。そんなrioにいろいろ教えてください。」きっかけは「貯金したいです」今の目標は「おもちゃを買いたいです」そんな女性だった。

動きが出た。「恥かしいけど、少しだけ自分でしてみます」ふぅふぅと息を整えてる。膝立ちになってスカートを左手でめくる。右手でショーツの上から触る。「あっ」緊張してるはずなのにすぐ声が出るなんて敏感なんだろう。「見られてると思うとすごく恥ずかしいです。悪い子のrioを見て下さい」少しだけと言っていたのに指の動きが早くなっていく。

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