第4話聖女との生活1

朝日が目を必要に攻撃してくる。「おはようございます。立川様」

透き通った優しい声で、今日の一日が始まった。

「おはよう。え~と~アサさんだっけ?」うろ覚えで、自身の前に

 ニコリと微笑む。自身の事を聖女と名乗る。謎の美少女アサに

 何となくの返事を返す。「今朝の気温は、10度以下になるらしいので

 暖かい恰好にしてくださいね」「う、うん。わかった・・・・・・」

 駿は、一週間前の出来事を思い出す。一週間前。長年ため込んでいた。

 精神的ストレスが原因で、鬱になり。療養する為に会社を長期で

 休む事にした(溜まっていた。有給休暇を利用して)そんな時だった。

 突然、自分を聖女と名乗る。謎の美少女アサが駿の前に現れた。

 アサは、駿の鬱が治るまで。身の回りのお世話をすると言い出した。

 そして始まった。自称聖女様との共同生活が、思えばこんな美少女と

 一つ屋根の下で暮らすなんて。駿の人生の中では思ってもいない事態だった。

 学生時代に一度だけ。お付き合いした事があるが、結局三か月で別れてしまい。

 就職してからは、仕事が忙しく。彼女を作る時間もなかった。

 今、駿の前に女の子がいる。駿は、初めは困惑をしていた。

 (見た感じ。年齢は、20代?いや、10代かもしれない)

 もし、未成年だった。事件に繋がる。自分に前科が付き。

 鬱病がさらに悪くなるかもしれない。女性に年齢を聞くのは、失礼だけど。

 自分が、犯罪者になりたくないからと。駿は、深く息を吸い込み。

 それを吐き出す。そして、意を決して。アサに聞いてみた。

 「アサさんって、おいくつなんですか?」駿が、アサに自身の年齢を

 聞かれると。アサは、しばらくの間。口を籠らせ。こちらも意を決しての

 表情で、駿の質問を返す。「秘密ですよ」と口元に人差し指をつける。

 仕草で、自身の年齢を言わなかった。それを聞いた。駿は

「そうなんだ・・・・・・」と曖昧な言い方をした。駿は心の中で

(答えてないじゃ~ん~)と思ったが。先ほどのアサの「秘密ですよ」が

 可愛かったので。更なる追及はしなかった。「朝ごはんの支度ができましたよ。

 精霊さんも手伝ってくれたんです」「あぁ、わかった」駿は、寝室のベットから。

 体を起こし、アサが待つ。リビングに向かう。駿は心の中で(どうか。アサが

 未成年じゃありませんように)と願った。自分が犯罪者にならない為にと

 アサがいくつでも可愛いのは事実だから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る