30:おっぱいと優しさに包まれる
ふう、と人心地。遅めの昼飯を摂ったところだが、我が家では未だ道路舗装の話で持ち切りだった。特にシェレンさんは、今までになかった俺の発想に、いたく感心してるようだった。とはいえ、別に俺が発明したものじゃないからね。なんか騙してるみたいで、あるいは地球人類の英知と手柄を横取りしてるみたいで、微妙に居心地が悪かったよね。
「そうだ。実はお母さんと一緒に赤土を採って来たんだよ」
「え、そうなの? ありがとう」
レンガの素材集め工程が1つ省けたことになる。助かるな。
「はい」
小ビンを差し出される。受け取り、中を覗くと、確かに赤黒い土がこんもりと入っていた。
「えらい? 良い子?」
ポーラが隣に座って詰め寄ってくる。頭ナデナデを要求されてるのかな?
「うん。良い子、良い子。ありがとう。本当に助かるよ」
撫でてみる。気持ち良さそうに目を細め、しなだれかかって甘えてきた。うーん。この爆乳の感触はいつ味わっても最高だなあ。
「メロウさんたちからも、海岸の砂を貰ってたわよね」
「あ、はい。そうなんですよ。協力すると言ってくれて」
肘で軽くポーラのおっぱいを突っついて堪能しながら。
「アキラが良い子だって分かった人は協力してくれるのね。きっとこれから、そういう人がどんどん増えていくわ」
「良い子……ですかねえ?」
なんとか穀潰しから脱却しようと足掻いてる最中のニートに、「良い子」認定はまだ早いような。
と、シェレンさんが対面から立ち上がり、俺の傍へ。そして頭の後ろに手を回され……豊かな胸の中に掻き抱かれる。ああ〜。なんという極楽。
「良い子よ。ポーラを助けてくれて、島のために出来ることも考えてくれて。必死に自分の足で立とうとしてくれてる。それにもう、成果も出したじゃない。あの道路、みんな喜んでたわ」
優しい言葉が胸にスッと沁み入る。
頭も撫でてくれた。ポーラも俺の腕を取って、ギュッと胸の谷間に抱き入れてくる。気持ち良すぎる。お母さんのおっぱいに顔を埋めながら、娘さんのおっぱいを腕で堪能する。
ああ、この家に拾われて、本当に良かった。
「それで? アキラは午後からはどうするの?」
おっぱい祭の後、シェレンさんに聞かれたのだが、そこで俺は「うーん」と唸ってしまう。
食べ物を作ろうとは思ってるんだが、問題は何を作るかなんだよな。
「ちょっと地図と睨めっこしてみます」
見てる間にピンとくるかも知れないし。
ちなみに今のところ、レシピ帳は何の反応もない。レンガの時みたいに、作りたい物が具体的に定まってないと、レシピも浮かんでこないんだろうか。
2人が午後の授業に出掛けるのを見送って、俺はハンモックの上に横になる。幅広の枕に頭を沈め、地図帳を開いた。2ページ目以降は各地のモンスターなどがまとめられているんだけど……ドロップまでは書いてないんよね。推理要素を残すというゲーム性なのかね。
『それで? いくつか案はあるんでしょ?』
「うーん。そうなんだけどね……」
って、うわ!
「女神さん。来てたのか」
『今さっきね。管轄してる某世界の戦争を食い止めるのに飽きてさ。こっち見に来たよ』
優先順位、間違ってますよ。
『良いんだよ。何回も回避させてやってるのに、何回も無駄にするんだから、一度とことん気が済むまでやり合えば良いのさ』
中々、女神業も大変なんだなあ。
『それで? キミの方は?』
(味噌か、醤油だろうなあって)
新たな調味料は、食に革命を起こすと思う。その美味さが、そのまま俺の残留への追い風になる……手筈だ。
『まあ、間違ってはないだろうね。それで味噌か醤油か』
砂糖も考えたけど、甘味系よりまずは日々の食事にバリエーションを生み出すのを優先させた。俺が塩味に飽きて発狂する前に。
(今は地図兼モンスター紹介を見てるところだね)
『なるほどね。ちなみにそのモンスター紹介は、資料集に載ってるレベルだから、ほんの一部だよ』
ネタバレにならない程度の序盤の敵だけ載せてるパターンか。この先は自分の目で確かめないといけないヤツ。
『あ、でも』
(なんか良さげなの見つけた?)
『ほら、これ。ウホホ=ヤラネエカ草だって。味噌の素材が採れそうじゃない?』
いや、そいつの素材で出来る味噌は絶対食いたくないヤツでしょ……
『ふうむ。じゃあ醤油の方が良いかい?』
そうだな。悩んでる時間も勿体ないしな。醤油で決定しよう。
と。小脇に置いていたレシピ帳の方がにわかに輝き始める。そしてフワリと宙に浮き、
「これ、毎回やるんだ」
きっと今まさに記されてるところだろう。しかし眩しいな。
やがて自動筆記が終わり、落ちてくるので、キャッチ。
開いてみる。
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No.3
<セフレ生醤油>
組成:ファイティングフラワーの実×巨大豆×フィニス酒蔵の麹菌×塩×ビン×溶岩石
内容:セフレ島産の素材100%で作られる醤油。コクがあり香り高い。しかし素材集めに戦闘があるため、大量生産には向かないかも知れない。
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なるほど。結構な量の素材を要求されてるな。それに戦闘もあると明記されてる。ファイティングの名を冠する物もあるからな。アレだろう。
『これからも素材集めに戦闘があるだろうし、先に武器じゃない?』
間違いないな。遠回りのようだけど、一度作っておけば探索の度に使えるし、先行投資と思おう。
「俺でも使えそうな武器かあ」
エレザみたいに剣が使えればカッコイイんだけど……
(ちなみに転生ボーナスで、練習ゼロで剣が扱えたりは?)
『するワケないよね。人生ナメすぎでしょ』
ですよねー。
『前も言ったけど、頑張り次第では爆乳の美人を何人も嫁に出来る環境……これが既にチートだから。その上、錬金術まであるんだよ? 十分な手札があるんだから、それでどうにかしなさい』
最後はシェレンさんみたいな諭し方をされてしまうのだった。
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