成り上がりや再出発をテーマにした作品は多いですが、本作はただの再起ではなく、SNSで晒されたマルチ二世という現代的かつシリアスな設定により、強烈な独自性を放っていると感じました。また登場人物はどれも記号的ではなく、それぞれに過去や事情を感じさせる描写が施されていることが、社会派小説としてのリアリティに繋がっていて好印象でした。
ここの居酒屋に勤める店員たちは、それぞれ事情を抱えておりますが、現実の自分たちの問題としても置き換えて読み進められるので、とても読み応えを感じました。