次の一杯が楽しみになる

猫の使い魔が美女の執事へと変身するというユニークな設定にまず惹かれました。
リュライア様の辛辣ながらも愛のあるやり取りや、クラウ様の奔放さ、そして語り手であるミアン（ファル）の丁寧な口調とユーモアが絶妙に絡み合い、まるで上質な舞台劇を観ているような気持ちになります。

軽妙洒脱な会話と、少し背筋が伸びるような知性を感じる文体が心地よく、珈琲一杯分の読書としてまさにぴったりな作品です。