第8話 お兄ちゃんって勘違い野郎なんだぜ
なんか少しづつ奥に移動してるらしい。
言われてみれば、なんか獲物も強くなって、群れる数も増えてきてる気がする。
そのせいもあるのか、またスキルを獲得した。
【豆柴お手】
右前足を素早く繰り出す事が出来る。
戦闘にも多少は影響する。
【豆柴おかわり】
左前足を素早く繰り出す事が出来る。
戦闘にも多少は影響する。
【豆柴ちんちん】
お尻を付けて座って両前足を素早く上げる事が出来る。
戦闘にも多少は影響する。
【豆柴クンクン】
鼻をクンクンさせる。
嗅覚が強化される。
戦闘にも多少は影響する。
【豆柴ピョンピョン】
小刻みにジャンプする事が出来る
ジャンプ力が上がる
戦闘にも多少は影響する。
【ここ掘れワンワン】
地中にある物を察知しやすくなる。
戦闘にも多少は影響する。
愛玩動物としての完成系が見えたきたな。
「コイツが思ったより使えるから、もう少し奥まで進まないか?」
「え、でも、ここから奥はエリアが変わるよ! 危ないよ」
「いや、コイツの最近の戦闘を見てるとかなり余裕がある。
俺達は短期間で出来るだけ強くなっておく必要がある!」
さっきからコイツ、コイツって俺のことか?
確かにもっと強くても戦えるけど、自分の分は自分でなんとかしてよね。
それに、俺が恩を感じてるのは、ユリカだけだからな!
お兄ちゃんがモンスター襲われても助けないよ。
「とにかく、今のうちに行けるとこまで行った方が良い」
「ポルテ、お前は大丈夫?」
「ワン!」
大丈夫! どう伝えれば良いか分からないから、とりあえず全力で尻尾振っておこう。
「ほら、ソイツも喜んでるし、奥に行くぞ」
なんか、伝え方間違ったらしい。
「う、うん」
エリアが変わったら、本当に出るものが変わった。
ゴブリンやホブゴブリンはオーガやトロルになったし、イノシシの代わりにクマ出るし。
なんか変な猿も出てくるようになって、木の上から攻撃してくるから、かなり面倒。
それでも、単体で出てくる分には割となんとかなってる。
「もう少し奥に行くぞ」
「お兄ちゃん、ペース上げすぎだって!」
「大丈夫だって! コイツの実力が思ったよりあるからな、なんとかなる」
うーん、俺を自分の戦力と勘違いしてる?
俺はユリカの戦力だよ?
奥に行くと段々複数で襲ってくるようになってきた。
そして、大ハズレの組み合わせに遭遇する。
トロル、トロル、トロル。
体力がやたらあって、一体倒すのにも時間がかかる。
他の奴との組み合わせなら、一番倒しやすいの倒してしまえばなんとかなってたけど。
全部トロルだと、そう簡単にいかない。
ユリカに向かおうとする奴にも攻撃してこっちに気を向けさせる。
コイツら微量だけどHP回復も持ってるから、先に攻撃してた方がちょっと回復しちゃってる。
お兄ちゃんは一匹にかかりきりで苦戦してるし。
いつもなら、お兄ちゃんがトロルと戦っているうちに俺が他倒していくパターンだけど、全部トロルじゃそうもいかない。
片方攻撃してるうちにもう片方がユリカに向かうからそっち攻撃して、そうしてるとHP回復してくるから全然両方倒せない。
てか、お兄ちゃんもそいつ一匹くらい自分で倒せよ!
俺あてにして、守りに入ってるんじゃねぇよ!
「おい! 早くコイツを倒せ!」
出来るかぁ!
マジで一回噛もうかな、間違ったフリして。
とにかく、スピンして、ダッシュして、体当たりして、ファングで噛んで…。
あぁ、もう全然死なない!
ダッシュして、体当たりして、ファングで噛んで、スピンして…あ!順番間違えた!
ズバババババ!
あれ?
噛んだままスピンしたり凄いダメージ与えたっぽい?
【後書き】
お読み頂き、ありがとうございます。
この作品を『おもしろかった!』、『続きが気になる!』と少しでも思ってくださった方は↓の『☆☆☆』を『★★★』に評価して下さると作者がとても喜びます。
よろしくお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます