ツンデレ妖怪ハウスの住人たち

 夢月みつきさんの『アマビエ♂の日常』は、ユーモアとあたたかさに満ちた妖怪たちの共同生活を描きながら、人間社会の陰影もやさしくすくい取ってくれる傑作です。

 特にヨゲンノトリと赤ちゃんの交流や、アマビコが悪質セールスを一喝する場面は、現代へのさりげないメッセージも感じられ、心にじんと響きます。神社姫とのやりとりには恋愛未満のときめきもあり、読後には自然と笑顔が。

 妖怪たちが織りなす小さな日常が、なぜこんなにも愛おしいのか、不思議でたまりません。

その他のおすすめレビュー

悠鬼よう子さんの他のおすすめレビュー1,117