取り敢えず、1巻を買いましょう!話はそれからです
- ★★★ Excellent!!!
心情の描写がとても良かった。
主人公の葛藤が本当に良い。
"ファンタジー現代の主人公"の身体や、本来"彼"が得られるはずの賞賛を奪っているという負い目。
安易にダンジョン配信にのめり込むような事も無く、元の世界に戻る動機も、本来の身体の主に返す為という、あまりにも善性。
異世界で恐れられた経験で、素直に賞賛を受け取れずにいる主人公の労しさ。
"謙虚さ"ではなく、"負い目"というところで、主人公が大好きになった。
主人公を取り巻く環境が善性の塊であることも、ファンタジー現代に元居た霊真の努力や功績を考えれば、納得のもの。
強いんだけど、その強さの理由をしっかりと理解した上で、身体の主の戦い方を理解して、その努力を決して踏み躙ったりしない。
平行世界の自分自身の格さえも落とさない徹底ぶり。
他のキャラとかに安易に実況させないことで、主人公以外のキャラの格も全く下がっていない。
親友の式くんとの正体バレのシーン、最高でした。
自分の知る霊真くんでは無いのに、どこまでも霊真くんそのものである今の主人公への思い。
そして、主人公にとっての式くんも式くんだったんですねぇ!
当たり前だろ思うかもですが、この当たり前の何と尊いことか!
ヒロイン達のキャラも立っていて、ヤンデレと片付けるにはあまりにも純粋すぎる感情。
どのヒロインも、絶対に好きになります。
それに、今回のボス。
本当に格好良かった。
ペルセウスが魔人の姿、霊真が素顔を隠すローブ、それをお互いに脱いで素顔で相対する。
単純な強化とも違う、"本気"を見せ合う戦闘が、本当に良かった。
敵が最後までしっかりカッコいい。
分かりやすい書き方なのに、しっかり感情を揺さぶられる。
全てを理解した上で、満足できる。