第12話  ひとりゴト

好きときらいの言葉に類似性があるように

失恋と相思相愛の言葉に類似性があるかもしれない

一方が好きという状態にあって

   相手がその感情を受け入れるか否か

相思相愛という言葉で結ばれても

   それは単にいつ破裂するかわからない、

   失恋という爆弾を生むことになるだけ。 


不幸と仕合わせがとなり同志の仲良しであるように

哀しみと喜びがとてもやさしい親友であるかもしれない

一方が寄せる波という形であって

   他方がそれをまぎらわすための返す波

幸福という積み木を積み上げても

   それは単にいつ崩れるかわからない、

   悲劇というドラマが始まるだけ。

 

老いと若さが人生の流れであるように

醜さと美しさが単純な一本のつながりであるかもしれない

一方がたわむれに吹く風にすぎず

   他方がそれにもてあそばれたたんぽぽの綿毛

美しさという仮面をつけても

   それは単にいつ燃え尽きるとも知れない、

   希望という線香花火が散るだけ。  



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