初配信2

目の前に見えるのは700。登録者をゆうに超している。緊張で汗がすごい 頭の中が真っ白だ。


何も思い出せない。今喋ったら言ってはいけない事まで言いそうだ


そうだ、黙ろう。とにかく落ち着くまでは黙ってやり過ごそう


「……」


:こんにちは

:初見

:これ事故?

:いや最初喋ってたような


まあそうなるか。コメント欄を無視してマッチングを始める


ルールはスターハイ。分かれて散りばめられた星を5つ集めてビッグスターにする。そしてそれを空へ飛ばす数で競う5対5のゲームで僕の得意ルールだ。


(敵の編成はデュアル2、刀、ヘビアサ、ピストル。こっちはアサルト2、ライトスナ、バケツ、二丁拳銃か。攻められたら一瞬だろうしあの立ち回りにするか


:相手に環境多すぎでしょ

:こっち維持強いし崩壊しなければいけるか?

:あれ相手にライズいるやん

:初戦からFirstいるとかえぐw


試合が始まったと同時に光の速さで敵陣へ侵入、そして背後から撃つ。


:キャラコンえぐすぎ

:挟みきっつw

:ちょっと酔いそう…


距離減衰によりダメージは半減している。しかし、目的はダメージではない、リソースを割かせることだ。前後からの射撃、Uskilでの援護により敵は為す術なく落ちた


:はっやw

:フェロミサってそうやって使うのか


初動は完璧だ。ここからは中央維持と適度な飛ばしが必要になる


─────────────────────

ラスト1分


試合は拮抗していた。というものライズ─―敵の刀使いがバーサーカー特攻で3枚を落として中央を奪われてしまい多くのスターを取られた


現在9-8、スコアが欲しい。選択肢は3つ 敵を倒して抑える、全力で回収する、そして…


:どんな場所に潜んでんだよw

:賭けか?


僕は今壁になっている。いや、引っかかってるの方が正しいか。ひたすら潜んで敵のヘイトが前に向いた瞬間入り陣形を完成させ、崩す。


残り30秒


敵のマークが外れた、今だ。スターが散らばっているがスルーしてフェローミサイルを入れ、刀使いライズを捉える。あいつを倒せば勝ちのようなものだろう。


『3:1か』


安地からひたすら撃つ。先ほどの削りも相まって落とすのは容易い。しかし、1人持っていかれるのは誤算だった。この状況でも持っていくのはさすがとしか言えない。ただ、形勢が変わることはなく他も落としゲームセット

11:8で無事勝つことが出来た。そういえば配信してたんだった 放置されていた画面を見る


:これでFirstなのかよ...

:リザルトは意外と普通なのね

:対あり いつ入ったか気づかなかった【ライズ】


11k2d6a ルール関与とカバーがメインの立ち回りだから見栄えは悪い。しかし、存在感がある。簡単な話厄介な敵というわけだ


「あ、ライズさん対戦ありがとうございました。途中の3枚落としマジで焦りました。」


スプペ分のリソース空き、コメントを見る余裕が出来た。そしてとりあえず対ありコメに対してだけ返事をした


:イケボ

:聞き取りやすい


「あの...残りは雑談でも良いですか?」


正直やりながらコメントを見るなんて無理だ。慣れるためにもまずは話すことにした

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