開き直ろうかな ☆

 ランガやドットたちと一緒に行動するなら、普通にこの世界の食材とか道具がいる。

 ・・・ハードパンはじゃないけど毎日は無理。米も食いたいしラーメンやハンバーガーも食いたいだろ。

 みんなで食事中に俺だけ違うもの食うとかナシだしどうするんだ、これ。

 大人なら我慢しろーっとは思うぞ、でも俺は我慢しないって決めたんだよ。

 この世界で過ごすって決めて、良い見てくれになって、魔法で好きなことができるって言われたんだぞ。そりゃマイウェイでいくさ。

 神様たちだってフリーダムなんだ。


 とりあえず、ハードパンや小麦、肉と果物を適当に買って、金物屋で鉄板と鍋なんかを買ったよ。

 パンは作れなくてもピザ生地くらいなら使えなくもないかも?

 薬屋に寄って、ポーションを追加購入して葉巻を二本買った。葉巻は各地で味が違うってことでいつか比べられるように一応予備もな。


「ねぇ、髪を染めるものってある?」

 一応こっちの基準どうなのかわからないので確認したら、真っ白にするか、黄緑色になるかって。

 脱色剤的なのか草木染めみたいな染料ってことらしい。

 その二択しかないとは。ランガたちの前で青にしてたらダメってことだ。

「そっか」

 脱色するならブリーチでいいよな。買わないでおこう。


 買い物を済ませて路地裏に入ってすぐさま〈ルーム〉に入った。

 速攻でシガリロ取り出したわ。


 咥えタバコでソファに座って、スマホを出して〈ネットショピング〉でブリーチをお取り寄せ~って思ったらメールが来てた。



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 髪の毛とか姿を変えたい時は女の子の変身シーンを思い出して、セリフを言ってみてね!

 ゲームとカードのお礼よ。

 イメージしやすい魔法少女で試してみてね☆

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 なぜ特撮や戦隊物じゃなく女の子なのか。

 フォルティナとメルティアが楽しんでるとしか思えない。

 ちなみに漁ったのは俺の記憶の中だけじゃないようだ。

 女の子向けは妹や姪っ子の付き合いで少ししか見たことがないからな。


 無駄な抵抗かと思いつつ、

「変っ身っ!」

「蒸着!」

とかやってみたけど、ダメだった。

 なぜ無駄な制限をつけるんだよ!

 無駄にポーズ取る人だったじゃん。

 

 仕方なく有名なセーラー服の戦士の変身シーンを再現した。

 あっという間に髪の毛を白くチェンジ。

 これは実際の髪の色が抜けたんじゃなくて、変身らしい。魔法が解けたら金髪に戻る。


 鏡で確認したら推しボーカルの彼が色を抜いた時みたいになってるので満足。

 イケメンなんでも似合う。

 ちゃんと眉毛と睫毛も色が抜けてて良かった。下の毛は後で確認しよう。


 時間がないので、タバコと水とブランデーとワインを適当にぽちぽち。

 ベーキングパウダーも一応。

 ピタパンやピザなら時間かかり過ぎない。

 仕込みする時間があればやったんだけど。


 我慢が出来なかった時用にクリームパン、メロンパン、カレーパンもあんぱん、焼きそばパンも色々買っておこうかとカートにぶっ込んでたんだけど、その状況になった時、一人だけ食べるわけにもいかず、いろいろ聞かれちゃうだろうし、スマホも出しちゃうかもと思ってやめた。

「・・・旅の支度って後はなんだ?」

 寝袋は買ってあるし、ランタンもある。水分とパンは買ったし・・・。


 服は多分、移動中はあんまり着替えないよな。ありえねぇ。冒険者って下着はどうしてるんだ?

 〈洗浄〉ってみんな出来るのか?

 ぐるぐる考えたら面倒になってきた。

 

 シャワーだけざっと浴びて、買ってきた服・・・一回洗濯したい。〈洗浄〉は綺麗になるけどなんか一回洗いたいので洗えるものは全部洗濯機に入れて乾燥までお任せ。


 仕方ないので今着ている服と似たものをいくつか〈創造魔法〉で作った。ウエストバッグも作って。リュックもか。

 アイテムボックス持ちって知られてるから適当なサイズで良いや。

 足りなかったら途中で考えよう。

 トイレとか言って離れてちょっと隠れてなんかする。

 最後に缶ビールを飲んどこ。

 そのうちビールサーバー買おうかな。

 

 外の生命反応を確認してから路地裏に戻る。

 夕暮れ時だ。門が閉まる前に出ないとだ。

 〈小鳥の止まり木〉に戻るとすでにランガたちは来ていて、エンマさんに夕食もらってた。


「坊や、おかえりぃ、あれ?髪どうしたね!」

「ジェイル、遅かったなぁ!ん?白髪?」

「何があった⁉」

 出迎えてくれたエンマさんとランガたちが俺の髪に驚く。

「金髪が目立つみたいだから、ポルドスで目立たないように薬屋の液体で色を抜いた」

 説明したらなんかイタイ奴を見る目をされた。

「部屋行ってくる」

 ダミーのカバンしか置いてないけど回収してから下に戻った。


 彼らもマジックバッグかなんかで身軽だ。

 〈新月の雷光〉も部屋を片付けて降りて来た。

 やっぱり髪のこと聞かれて説明して、いつもより「マシか」って言われてちょっとムカッとした。一応周りに馴染もうとしてるんだよ!


「坊やも貴方たちも一緒に出ちゃうなんて寂しくなるとー」

 エンマさんが本当に悲しそうで胸がチクッと痛む。

「今回はちぃと長いが俺たちは戻ってくるから」

「そうだよ。ボルクさんのご飯食べたいしエンマさんに会いたいからね」

 みんなで慌しく夕飯を食べて、出発時間になった。

「ジェイル、またこっちに来たら寄れ」

「そうとよ。顔見せにくるとね」

 二人は程よい距離感で俺が居心地良く過ごせるよう接してくれた。

 こっちの世界に来て初めて泊まった宿がここで良かったと思う。

「一周回ってくるよ」

「気を付けていけ」

「若いって良いとね」

 ボルクさんは俺の背中を叩いて、エンマさんは背伸びをしてハグしてくれた。

 そしてみんなに二回分の弁当を用意して持たせてくれた。

「「「ありがとう」」」

「無事に戻ってくるとよ」

「「「「ああ」」」」


 宿を出て東門に向かうとギルドが用意した幌馬車が二台。御者付きだった。

 自力で爆走じゃなくて良かった。

 でもシャートが馬に〈瞬足〉はかけた。


 夜に外に出るのは良くないらしいけど、緊急事態でBランクパーティだから問題ないらしい。

「気を付けてな」

 門番ワイドさんに送り出されて出発した。

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