第18話 迫る者
私達は千理の元へ帰るがその姿が視認できなかった。
「手分けして探そう。幽香」
「いやー。このままだねぇ。それに葵君に傷1つ付ければ私の顔に泥を塗るのと同じだ」
「師匠の用意してくれた飛行機でハイジャックなんて…なんと詫ればいいんだ」
「私達で片づければいい話だろ?葵君。なにも確認をしていないファーストクラスへいこうではないか」
不気味に笑う幽香のおかげで私は僅かに緊張がほぐれた。私が面倒を見るといった数時間で千理に何かあれば師匠似合わす顔もないし泥を塗る。幽香におぶられたままファーストクラスへ行った。
「これはこれは有名人のお二人にあえるなんて至極恐悦です。一ノ瀬葵さん、鷹津幽香先生。僕の名前は…」
私は容赦なく発砲した
男は即座にナイフで弾を切り刻んだ
その瞬間に悟った。こいつも実験体だ…私は幽香に耳打ちする
「幽香、下せこいつは…」
「実験体と言いたいんだろう?葵君。だが下すわけには行かない」
「全部聞こえてますよ。葵さんは手癖が悪いですね。親の躾がなって…おっと失礼しました。葵さんには親がいないんでしたね」
その瞬間、私は強く握りしめていた拳銃は幽香の手に渡り男に発砲された
しかしこれも簡単に切り刻まれた。
「これはこれは私も手癖が悪くてね。思わずやってしまったよ。だが、君のような失敗作は葵君が出るまでもない。この私が君を廃棄してやろう。さて他の乗客がどこにいるか先に教えてもらおうか」
「僕を倒せたら教えますよ先生」
男の顔は余裕ある笑みを浮かべ幽香へ向かっていった。
だが少しばかりか失敗作扱いを幽香から受け不快そうな空気を感じた
「そんなに怒ることかい?やはり私にとって葵君以外の実験体は失敗作だよ」
男のひとつひとつの攻撃を軽々とかわす幽香。その動きは人なんて乗ってないかのように滑らかで無駄がない。それだけじゃない、彼女は受け流しながらかわしていた
「君と違いたかが人間がここまでやるとは思わなかっただろ」
幽香は私を腕からぶん投げた。幽香の投げた先は普通の席ではなくCAさんが座る関係者席だった。
「いやいや先生こそ、さっきからかわしたり受け流しばっかで攻撃してこないじゃないですか。防戦一方ですか?」
男は幽香に向かうが、幽香は受け流すだけでなく指先を喉元に当てた。いや喉を刺した
「グェ…ゴッホゴッホ」
苦痛で呼吸が苦しく乱れた
「君は確かに俊敏かもしれないがそれだけだ」
幽香は冷静に言い力を込め、男の体を軽く捻りながら背負投げで床に叩きつけた
男は苦しそうに地面に倒れ込むがまだ余裕ある表情を見せた。
幽香は拳銃を構え冷たく問う
「これは私の勝ちで良いかな?失敗作君」
ニヤリと笑い何か不穏なものを私は感じ取った
「まだ、負けたわけじゃありませんよ先生」
その瞬間袖口から男は拳銃を出し幽香に向けたがこれは違う
「ブラフだ裁け幽香!!」
しかし、遅く拳銃はその奥にあるコックピットに発砲された
銃声は響き渡り機内は大きく揺れた。酸素マスクが降りアラーム音が鳴り響いた
幽香は体勢を崩した
「惜しいですね、鷹津先生後一歩でしたね。」
男は非常ドアを開け機内は強風が入った。
さらに飛行機が揺れる。
「ここまで健闘した先生のために特別に乗客の皆さんがどこにいるか教えましょう。ここの貸物室に閉じ込めました。次は葵さん貴方と再戦できることを楽しみにしてますよ」
男は飛び降りた。強風の中で酸素マスクは大きく揺れ、さらに飛行機は揺れは激しくなった。幽香はシートにしがみついていたが早くしなければ一大事になる。無茶は承知だが呼びかけた。
「幽香!コックピットだ!!!急げ!!墜落すっぞ!!!!」
幽香は私のしたいことが何か察して頷いた。
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