昭和二十七年。山深い里に老いた猟師と
その孫が住んでいた。山と共に生きる者は山の神を崇め、山の仕来りを守りながら
生きていたが ───
理不尽で無慈悲な戦争は猟師から鉄砲を
奪い、人々の心から 神 を奪った。
戦争に取られたきり帰って来ない息子を、
父を。其々想いつつ倹しく生きてきた
老猟師と孫。猟師となるべく孫は祖父に
ついて山に分け入る。
山の仕来りを識る者は、禁忌に触れず。
だが。
スケノリサマ スケヨシサマ そして
アンシンサマ
山神様の遊行する日は。
まさに 入れ子 の様な食物連鎖が
自らの身にも降り掛かる時。
山岳伝承や民話をベースにした、禁忌。
モキュメンタリーなのか伝承なのか。
最後にゾッとして、これが
ホラー小説なのだと知った。