かつて憧れた教壇。
だが、世界は滅び、誰もいなくなった。
ただ一人、生き残った男――響は、すべてを失った瓦礫の中を彷徨っていた。
そんな彼の元に、声が届く。
「君さえ良ければ、我々に力を貸してくれないだろうか?」
導かれるように響が目を覚ましたのは、神々の造りし異世界《ヴァルハラ》。
そこは神の子たる戦乙女――ワルキューレを育成する世界。
そして彼は唯一の人間の男として、この世界の「教官」に任命される。
待ち受けていたのは、神々の教育機関で奔放に生きる少女たち。
生徒会長ミカ、副会長ニコ、寡黙な会計ベル、臆病な書記サラ。
個性あふれる少女たちとの日常が、響の中にかつての夢を呼び覚ましていく。
だが、始まったばかりの平穏は、突如の爆発とともに砕け散る。
少女たちが、武装蜂起?
信じられない光景に巻き込まれながら、響は再び立ち上がる。
それは、過去に叶わなかった「教師」という夢の、もう一つのかたちだった。
滅びの果てから始まる、戦乙女と人間の絆の物語。