SPEED.18 Z32とR32の違い
同じメーカーから出たものの、比較されることもある車種は多い。例えば、Z32とR32はよく比べられる。ただ、どちらにしても悪いところばかりでも、良いところばかりというわけではない。Z32は日産が次世代のスポーツカーとして開発した。開発当時は、実馬力で300馬力を超えていたというVGエンジンを搭載し、排気量規制値が280馬力というように規制値を引き上げた張本人でもある。しかし、エンジンルームが狭い故、チューニングをする余地がなく、『速さを求めることができない』という大きな問題点が存在。
チューニングすればするほどそれに応えてくれるR32とチューニングをすることすら難しいZ32が比較されることとなった。なんとも心苦しい話である。それでもR33に搭載されていたRB26DETTエンジンをZ32にスワップするというチューニングをする者が現れ、600馬力を超えるなど、『チューニングをする余地がない』という言葉は消えつつあった。
対するR32だがRB26DETTエンジンはもちろんのこと、アテーサE−TSの電子制御システムという完璧な駆動システムを搭載し、レースに勝つために作られた車として世に放たれた。当然、同時期に発売されたZ32が比較される対象となり、Rはサラブレッド、Zは駄馬だと言われるようになった。しかし、GT-Rもいいところばかりではない。それは車重である。
R32GT-Rは1500kgと非常に重たいのでフロントから来る重量は計り知れない。それを走りでカバーしても、ただの誤魔化しにしかならず、どこかでフロントタイヤがタレて来る。
そこが欠点だった。超高速域ならまだしも、峠で走るならば不向きである。対してZ32は1430kgとR32よりは少し軽量である。それに加え、R32と同じくツインターボのため加速力も良い。海の向こうのチューニングショップではトリプルタービンを組むZ32も現れ、その総馬力は1000を超えたと言われている。0−100km/hまでは約3.8秒という記録が出ている。他にも、駆動システムを変更し、ミッドシップに生まれ変わらせた人間もいた。Z32は当時の日産のCEO・カルロス・ゴーンの愛車でもあった。
このように改造の幅を広げ、Z32も超高速域での加速力などが評価され、GT-Rにも負けないスポーツカーになったのだ。R32と比べ、劣る部分は確かにあるかもしれない。しかし、全てにおいて性能が悪いというわけではない。お互いに当時の名機とも言えるエンジンを載せていて、当時の走り屋からは人気があった。そして現在、当時は中古で山ほど転がっていたZ32もR32も500万以上のプレミア価格が付き若者が手を出しづらくなってしまった。
特にR32は走行距離が少なく状態が良いものは1000万近くの個体も存在。Z32は300万から500万円台と価格は安定しているものの、なんとも手を伸ばしづらい。
20前後の若者がZ32などを買うには至難の業とも言える。フルローンを組んで仕事に勤しむ者や、もっとお金が貯まってからと未来を見据える者が多く、中には一括で買う猛者もいたりする。しかし、25年ルールにより、これからもっと、海外への流出が増え、価格が上がり高嶺の花になってしまうことが懸念され、諦める者も出てくるだろう。
日産にはこれからもこのような魅力あるクルマをたくさん生み出して欲しいと心から思う。
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