ギリシャ神話の中にある、黄金の林檎のエピソード。紀元前の大王と姫も、とあるカフェテリアの女子大生たちも、天文学部の女子高生たちも、それについて語り合い、遠い世界に思いを馳せる――
時代と場所を越えて、袖振り合う物語が並んだ、短編オムニバス作品。語る人の立場や性格によって、黄金の林檎のエピソードの捉え方が変わっていくのも楽しめます。
彼ら、彼女らの「今」からは、どんな世界が見えて、どのように広がっていくのでしょうか。野心も展望も愛情も、その一言一言に、相手の現在地が込められているように感じられました。