最新話まで追いついたのでレビューをば。
前作「銀河皇帝のいない八月」の直後からの物語。
戴冠式を済ませたとはいえ、前例や後ろ盾のほとんどない皇帝就任に反発が酷いあたり、非常に政治的。だが、それがいい。
スターウォーズなどの銀河共和国や銀河帝国を思わせる、壮大な政治劇が読み応え十分です。
そんな中、元高校生に過ぎない主人公が翻弄されながらも、十代らしい感受性と視点で帝国の現状を見つめる様は、十二国記のよう。
こちらもやがて来る(かもしれない)主人公の統治、判断にどう影響するのか。
そしてスターリリィとそれらに関わる謎の存在たち。
スケールの大きい、SFならではの独特の文明も魅力的。
これぞSF、という読んでいて楽しくなる作品。
これからの展開に期待大です。
銀河皇帝に即位したアサトと、共に在る完全人間ネープ、そして人猫シェンガ、元老クァンタたちの、新たな目標に向かって奮闘するお話です。
アサトが銀河皇帝へと至るまでには、それはもう手に汗握る前作『銀河皇帝のいない八月』がありますので、未読の方はぜひとも、読んでいただきたい!(こちらも面白いです!)
今作は、そんな前作からの馴染みの顔触れが、新たな問題を抱えて進む険しい道。でも共に在る仲間は、最高に心強い面々です。人も、機械も、その他諸々も。
第一章は、まさに問題勃発からの月面脱出劇です。
息吐く暇もないスリルのある展開、スピード感のあるアクションシーンも見応えがあります。
なんといっても、アサトとネープの関係が良いのですよ……!
前作のネタバレになるので多くは語りませんが、一言で言うと、尊いのです! ついですね、ネープの表情にぐぐっと集中してしまいます。
他のキャラクターの個性も活きており、星百合〈スターリリィ〉のある世界観もよく練られていて魅力的。アサトたちへの応援に力が入ること必至です!
ハラハラドキドキしながらキャラ萌えもしつつ、素敵なスペースオペラが読みたい方へ。
お薦めします(^^)!